石

石鉱物の生まれた場所石


鉱物を調べようと思って事典を見ると
いい確率で見かけるのが、
ペグマタイトという言葉。
「これは花崗岩中のペグマタイトに生成し…」
などと書いてあるのを、
みなさんも一度は目にしているでしょう?

…ペグマタイト??
最初は鉱物の母岩のことかと思ったりますが、どうも違うらしい?
っていうか、ペグマタイトって何さ!?石の名前?
↑と思ったのは、他ならぬ私です(苦笑)。

そもそも、ペグマタイトというのは、石の名前ではありません。
強いて言うなら「場所の名前」か。。。
まあ、名からして、いかにも石っぽい名前ですけどね。


ペグマタイトの説明の前に、地球の話をしましょう。

地球は大昔、生まれたての頃は、ただのマグマの塊でした。
が、そのマグマも、時間が経つにつれて、
表面から徐々に冷えて、固まっていきます。
(内部は今でもマグマのままです)
そうして冷えて固まったマグマを「火成岩」と呼びますが
火成岩は固まり方の違いで二種類に分けられます。
早く固まると
「火山岩」、ゆっくりと固まると「深成岩」です。

そして、深成岩の中でも、石英と長石が主成分で
非アルカリ性(要するに酸性)の岩石を、
花崗岩と呼びます。
マグマが固まって花崗岩が形成される時には、
固まり易い場所から徐々に固まっていきますが
水や炭酸ガスを含む場所だけ
なかなか固まらず、そこが空洞のようになります。
その空洞には、マグマが岩になる時に
弾かれてしまった様々な微成分が集まり、
空洞を利用して、大きな結晶へと成長していきます。

この仕組み(産状)をまとめて「ペグマタイト」と呼ぶのです。


ペグマタイトは、花崗岩の中だけに現れるわけではなく、
他の岩石が生成する際にも見られますが、
花崗岩のペグマタイトが一番一般的なので
ペグマタイトと言った場合、普通は花崗岩のペグマタイトを指します。


で、その花崗岩ペグマタイト内で出来る鉱物ですが、
まず、主成分に石英があるので、
水晶は外せないでしょう。
他、蛍石、トパーズ、トルマリン、
柘榴石(特に鉄ばん柘榴石)、ベリル
などの鉱物が、
空洞を利用して、大きな結晶に成長するので
花崗岩ペグマタイトは別名
「巨晶花崗岩」とも呼ばれます。

これだけメジャーな鉱物を多く生んでいるのですから
ペグマタイトという言葉は、事典でもよく見かけるハズです。



ついでに他の産状も説明しておきましょう。

カルシウムを含む鉱物を多く産出する
「スカルン」

他の岩石や火山灰、生物の屍骸などが
風化、堆積して出来た堆積岩の中でも、
方解石、霰石などに含まれる炭酸カルシウムを
主成分にした「石灰岩」に高温のマグマが入ってきた時の
石灰岩とマグマの接触部
のことです。

マグマから珪素や鉄、アルミニウムが石灰岩に移動し、
石灰岩中のカルシウムと反応して鉱物が出来上がるので、
主に
カルシウムを含む鉱物が出来易いです。
柘榴石なら灰鉄柘榴石や灰ばん柘榴石
輝石なら、透輝石などのカルシウム輝石が産出されます。
(つまり、同じ柘榴石でも、鉄ばん柘榴石と灰鉄柘榴石は
生成の仕方からして、全くの別物だったというわけで…)

また、マグマに接触した後の石灰岩は、
熱によって変化し、
大理石(結晶質石灰岩)になり、
元々「堆積岩」の一種だった石灰岩は、「変成岩」の一種に変わります。
(変成岩とは、要するに温度や圧力で変化した岩石のこと)


ペグマタイトやスカルンのような産状は、まだ沢山あるのですが
だんだん難しい話になってくるので、ここまでにしましょう。
これ以上は勘弁して下さい


それにしても、今回初めて岩石について
いろいろと調べてみましたが、岩石も様々な種類があるんですね。
鉱物に負けず劣らず奥が深い!

ま、どちらも
地球を構成する「石」には違いないので、
鉱物に関わる限り、避けては通れない道の一つなのでしょう。


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