石

石その石、斜めから見て別の顔石

キレイに磨かれた鉱物や、宝石は、
普通に見ただけでも、キレイだな〜って思いますよね?
でも、その場合、何がキレイなんでしょう。
色?光沢?模様?
まぁ、これらも「キレイ」と思わせる主要な要素なんですが、
この辺りは、別の項目でも説明しましたので、
ここでは、手にとって傾けた時や、
いろいろな光に当てた時に見せる、
ちょっと変わった石の効果を、説明していきます。


まず多くの鉱物、宝石に現れる効果
「多色性(たしょくせい)」

これは、光の種類や、見る角度によって、
鉱物の色が、違って見えることをいいます

「光の種類」というのは、ちょっとわからないかもしれませんが、
「見る角度によって、色が変わる」というのは、
光沢のある洋服などでも、見かけるでしょう。
普通に見ると青いものが、光の加減で、
斜めから見ると、水色っぽくなる…。
こういう効果を、指します。
宝石店などで石を見ると、容易に見つけられる効果ですよね?
(問題は、宝石店に行く機会があるかどうか…ということ??)

では、
「光の種類で色が違う」とは、どういうことなのでしょう?

普通、生活で目にする中でも、日光、蛍光灯、白熱電球など、
いろいろな種類の光を、使い分けていますよね。
人間の目には、「やさしい光」とか、「明るい光」「強い光」…など、
見た目の判別しか出来ませんが、
実は、
様々な色の光が交じって、
その光の色を作っています


一番分かり易いのが、
太陽の「七色の光」
プリズムなどを透して見ることが出来ますが、
要するに、普段は、あの色が全て混じっている、ということなのです。
白熱灯や、蛍光灯なども、それぞれ違う色が混じって、
あの、光の色を作り出していますが、
鉱物に含まれる成分によっては、その光の一部を、
吸収したり、反射したりしてしまいます。


「吸収、反射」というと、難しいかもしれませんが、
日常でも、よく見かけます。
例えば、白い紙と黒い紙を二枚並べて、
上から赤い光を当ててみた時、
白い方は、赤く見えますが、黒い方は、そのままですよね?
白は、光を反射しますので、目に映る色は赤ですが、
黒は、光が吸収されてしまって、そのままなのです。

鉱物も、中に含まれる成分が、場合によって、
太陽光と白熱光で、吸収、反射する光を変える為、
目に映る色も違ってくるのです。

ただ、大抵の石は、「若干色が違う?」程度の変化で、
本当にくっきり色が変わる石は、とても稀です。


次に、名前も見た目も結構知られている
「キャッツアイ効果」

下の写真のように見る方向によって、ネコの目のような1本の光が、
石の上に見える効果
をいい、
「猫目効果」、または「シャトヤンシー」ともいいます。

この「キャッツアイ」という名前、
宝石の名前だと思っている人が、多数いるようですが、
実は、上に書いたように、
これは石の効果の名前で、
この効果の見える石を、みなキャッツアイと呼ぶのです。

では、実際宝石店などで売っている「キャッツアイ(↑写真)」って何でしょう?
それは、金緑石(クリソベリル)の変種で、
この石の「キャッツアイ効果」が一番有名になった為、
そのまま「キャッツアイ」という名前になったのです。
ですので、他にも、この効果の見える石がありますが、
もし、別の石のキャッツアイ効果が有名になっていたら、
その石を「キャッツアイ」と呼んでいたでしょう。

ちなみに、この効果、原石のままでは見ることが出来ませんが、
宝石になった時に、ちゃんと石の上に見えなければ、
せっかくの効果も、全く意味がないですよね?
では、
原石の状態で、
どこに光のすじがあるのかを見つける方法

これは、とてもユニークで、
原石に油や、蜂蜜をたらして光をあてると、
すじが浮き上がってくるのです。
どうしてそうなるのか、わかりませんが、
とにかく、そうするとわかるそうです。
不思議ですね!!


最後に、
「星状光彩」

石を傾けた時や光の加減で、
星のようにキラッ☆と光って見える効果のことで、
「スター効果」や「アステリズム」とも言われています。
これは、鉱物に不純物が交じったことによって発生しますが、
上手く交じらないと、ただの傷になってしまうので、
キラッ☆と輝くのは、石の運次第というところでしょうか?

例えば、サファイアに金紅石(ルチル)という鉱物が交じり、
上手く結晶を作ると、この効果が現れ「スターサファイア(↓写真)」と呼ばれます。


他にも、この効果の見える宝石はありますが、
星状光彩の美しさによって、価値がぐっと上がることもあるのです。


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