石

石イミテーションとフォルスネーム石

ダイヤ、サファイア、ルビー…。
これらの宝石が、いわゆる
「高価な宝石」と呼ばれる所以は、
美しさもさることながら、やはり「需要と供給」の関係でしょう。
商品の数より、欲しい人の方が多ければ、値段は自然と高くなる。
これは宝石に限ったことではない、市場のルールなのです。

ところが、値段と人気が高ければ、
それを利用して儲ける人々も、
古今東西現れるワケで…。


ここでは、

主要な宝石の、偽物本物について
、解説していきます。


まず、タイトルにある
「イミテーション」と「フォルスネーム」について、説明。
イミテーションは、宝石以外でも聞く言葉ですよね?
和訳すると「模造品」。
ダイヤの場合なら、
ダイヤそっくりなんだけど、ダイヤではない宝石を
いかにもダイヤのような感じで、販売している…。

これがイミテーションです。

フォルスネームというのは、
一般にはあまり聞かない言葉でしょう。
色の付いた宝石は、素人ではなかなか見分けが付かないので、
マイナーな宝石に、
誰でも知っている宝石の名前を、ちょっともじって
あたかも有名な宝石の仲間であるような感じで
販売することをいいます。

(個々の石のページでも、時々紹介していますが…)

例えば、菫青石(コーディアライト) → ウォーター・サファイア
黄水晶(シトリン) → シトリン・トパーズ
橄欖石(ペリドット) → イブニング・エメラルド など…。要するに、

石の色や光沢が似ていることで付いた、
通称名
なのです。


では、次に、そんな見た目や名前のからくりを見破る方法。

一番分かるのは硬さによる判別でしょうか。
ルビーやサファイアなど、貴石と呼ばれる宝石は、
だいたい、硬さが8以上あります。
水晶(硬さ:7)などとこすり合わせた時、
傷が付けば、アヤシイ…。


ダイヤの場合は硬さの他、

石を透して字が読めるか
も、ポイント。
ダイヤは光を屈折させるので、下の字は読めないのです。
あと、ダイヤの表面に、

ボールペンで線がかけるかどうか

本物は、キレイに線が引けます。
ただし、これは店員に止められる可能性大と、
線を引く場所がある程のダイヤを、購入するかどうかですね…。

エメラルドは、硬さ7.5くらいなので、硬さでの判別は微妙ですが、
石の中に含まれている内包物がポイントです。
内包物は、インクルージョンとも言いますが、
宝石が出来る時に入りこんだゴミのようなものでしょうか。
通常こういった内包物は、宝石の価値を下げますが、
エメラルドの場合は、本物である証明になるのです。
石をよーく見て、
あまりにもキレイだったら、アヤシイ
かも…。

硬さでの判別の話をしましたが、

逆に本物の方が軟らかいのが真珠

イミテーションは、引っかいても何しても、びくともしません。
かといって、引っかいて本物だと分かっても、ショックですよね(笑)。
他の判別方法としては、

上から水をたらすと一目瞭然

本物は上に水滴が残りますが、
偽物は全部流れてしまいます。



それからフォルスネームにだまされない方法。

実はフォルスネームは、
日本国内より、海外でよく使われる手段です。
見分け方としては、
「石の名前の頭に別の言葉が付いてたらアヤシイ」
と言いたい所ですが、例えばトパーズでも
「インペリアル・トパーズ」は、最高級のトパーズの名前、
「ロイコ・サファイア」は、無色のサファイアのことで、
必ずしもフォルスネームとは限らず、難しいです。

ただし、フォルスネームで売っている石は、お土産用で、
値段も比較的手頃だったりするので、
大損はしないハズ
…です。多分。


ちなみに、イミテーションにしろフォルスネームにしろ、
引っかからない方法は、
信用あるお店で購入することでしょうか。
「何でも鑑定団」に出てくる品物でも、
購入先が有名な百貨店だったりする場合は、大抵本物です。
自分の鑑定眼と知識に自信のない場合は、
相応のお店で、相応の値段で購入するのが、
一番ベストなのです。


あ、でも、「偽物でもいい」という場合は別です。
現に私自身、本物の宝石など、持っていても使わないので、
それっぽく見える指輪(←値段から言ってもちろん偽物)を
数個持っているだけです。

「本物と思われている偽物」が、
買い物としては、一番不幸なのです。


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