石

石宝石は見た目が10割石

「ここは、鉱物、宝石のページです」
なーんてエラそうにトップページに書いてありますが、
どちらかと言うと、管理人の好みも、サイトの傾向も、
鉱物寄りになりがちです。

が、別に宝石に興味がないわけでもなく、
結婚してからは、ダンナの影響で
ルースもちらほら集めたり、指輪作っちゃったり(参考)
するようになりました。
鉱物は鉱物の、宝石は宝石ならではの
美しさがあるのだな〜と思うこのごろです。

でも、鉱物の美しさは、基本見た目そのまま
何も加工してない、自然のままだからこそ、
どんな色や形をしていても個性として愛されますが、
宝石はそうはいきません。

ここでは宝石の美しさを決める重要な要素、
「色」と「形」から、形に関する話をしましょう。

形というのは、宝石のカットのことです。
カットは、その石の特徴を十分に発揮する方法として、
考えられたわけですが、その方法の種類は様々です。
専門のサイトなどを見ると、ものすごい沢山あり、
ここには書ききれないので
有名処を手持ちのルースを使用して紹介しましょう。

まずは、ダイヤなどのカットで有名な
ラウンド・ブリリアント・カットです。

このカットは、ダイヤモンドの光の屈折率を
最大限引き出す為に考案された、
いわばダイヤの為のカット方法ですが、
他の石にも多く使われています。(写真はベニトアイト)

ところで、ラウンド・ブリリアント・カットといえば
ここでも少し触れましたが、
1919年に、数学者マルセル・トルコフスキーが
計算でこのカットを考案しました。
つまり、それ以前のダイヤは、違う方法でカットされており
主に使用されていたのがオールド・ヨーロピアン・カットでした。
アンティークの宝石が偽者が本物かは、
カット方法でも判別出来るのです。


次に紹介するのが、楕円形をしているカット
オーバル・ブリリアント・カットです。

これはダイヤよりも、他の石に多く使われるカット
縦横のバランスや全体の形がキレイかどうかが重要です。
個人的に言わせてもらうと、このカットのルースは
いくつか持っていますが(写真はオレンジサファイア)
指輪などに加工しようと思うと、
台がなかなか見つからないのが悩みですね。
どうしても、円形のブリリアントカットの方が
お得な値段で加工出来るような気がします。


次は、エメラルドなどが代表的なカットで
名前もそのままな
エメラルド・カットです。


名前の通り、元々エメラルドの長細い形を有効に生かす為に
考えられたカット方法ですが、他の石にも使用されます。
(写真はクンツァイト)
長方形の角を面取りするようにカットしてあるのが特徴で、
この面取り具合の正確さ、バランスの良さなどが
カットの良し悪しのポイントになります。

ちなみに、このカットの「面取りしないバージョン」として
バゲット・カット(左)というものもあります。

さらに、1970年後半、このカットに58面のファセットを足した、
バゲット・カット+ブリリアント・カットのような
プリンセス・カット(右)が誕生しました。
これらのカットは、ラウンド・ブリリアント・カットに比べると、
原石の大きさをそのまま生かし、尚且つ輝きも出るカットですが
角が欠け易いので扱い注意なのが難点でしょうか。

最後に角度が一切ない、つるっとしたカット、
カボッション・カットを紹介します。

いわゆる「面」の部分が一切ないカットですが、
その分表面のツヤ、石自体の色が目立つので、
半透明の石によく使用されるカットです。
(写真はパライバ・クォーツ)


さて、カットの種類は、他にもまだまだ沢山あるのですが、
とりあえずここまでにしておきます。


最後に、
某掲示板での名セリフ
この話を締めくくりましょう。

石をお嫁に出す時、お化粧してシェイプして
最新モードを着せて送り出すのが宝石屋、
「姿も素敵ですが、性格もとても良いのです」
と、送り出すのがクリスタルショップ、
「何しろ素性がしっかりしてます」と履歴書付きで送りだすのが
鉱物ショップではないでしょうか。。。


宝石にとってカットとは、魅力を引き出す為の
重要なお化粧の一つなのです。



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