
その石、斜めから見て別の顔2
前回の「その石、斜めから見て別の顔」で、
「手にとって傾けた時や、いろいろな光に当てた時に見せる、
ちょっと変わった石の効果」を説明しましたが、
今回、その続きを書きたいと思います。
前回よりはちょっとマニアックな効果になる…かな??
まずはこの石↓見ての通りオパールです。

オパールの魅力といえば、虹のようにキラキラと変化する
あの色合いですが、実際この色合いには
「遊色(ゆうしょく)効果」という名前があります。
英語だと「Play Of Color(プレイ オブ カラー)」。
「色が遊ぶ」なんて、いかにもこのキラキラにピッタリな
ネーミングだと思うのは私だけでしょうか(笑)。
ところで、このキラキラはどうやって誕生するのでしょうか?
ヒントはオパールの成分。オパールは珪酸の粒が規則正しく
集まって出来ている鉱物ですが、これによって光の回折、干渉
を起こし、独特の輝きを発します。
…ちなみに回折、干渉って何!?って思うひとはこちらどうぞ。
(私は物理が苦手なので説明出来ません。。。^^;)
とにかくオパールのポイントは「珪酸の粒が規則正しく並ぶ」こと。
そして並んだモノが形になるには何万年もかかります。
何しろ1cmのオパールが出来るのには、
約50万年かかるそうなので、そもそも
地盤が安定している場所でないと、生成されません。
主な産地がオーストラリアなのは、何より太古から地質変動が
少ないという理由なのでしょう。
しょっちゅう地震速報が流れる日本では、かなり厳しいですね…。
(↑一部採掘出来るとこもあるようですが)
ちなみに、オパールといえばもう一つ「メキシコオパール」
がありますが、これはまた生成方法が違いますので、注意です。
(長くなったので、オパールはこれで終わり)
次は、同じ白っぽい石でもちょっと違う効果を説明します。
今度はこちらの石です↓これはムーンストーンです。

先程のオパールが「キラキラと明るい感じ」なら
これは「しっとりとした大人なイメージ」でしょうか?
「月長石」という名前の通り、どことなく神秘的な効果ですが
これにも「アデュラレッセンス」「閃光」という名前が付いています。
「ムーンストーン」という名前とこの光は知っていても
「アデュラレッセンス」という名前は知らなかったのでは!?
この効果はムーンストーン独特の構造によるものです。
そもそもムーンストーンは単独の鉱物ではなく、
正長石と曹長石が交互に重なり、層になった石で、
2つの鉱物が層になった面に垂直に光が入ると、層ごとに
光が反射され、干渉し合うことによって発生します。
(月長石のページより抜粋)
もうちょっと詳しく書くと、曹長石の方が薄いと青っぽくなり、
厚くなると、白っぽくなるそうです。
青い方が宝石としての価値も上がりますから、
ただ層状になればいいってモンじゃないんですね。。。
ところで、ちょっと気になるのが、効果の名前「アデュラレッセンス」。
どうも「アデュラリア(氷長石)」が元になっているらしいのですが、
これってムーンストーンと何か関係あるのでしょうか?
まぁ、関係あるといえばあります。
アデュラリアは正長石の中でも無色透明なモノを
指しますが、そもそもムーンストーンは、
この鉱物の中から発見された変種でした。
ただ、現在はムーンストーンの方がはるかに知名度が
上がってしまい、アデュラリアとの関係を示すものは
「アデュラレッセンス」だけになってしまったようですが…。
そろそろ疲れてきましたが、最後はこちらです↓

ラブラドライト…そう、ラブラドレッセンスの話です。
アデュラレッセンスよりは、聞いたことあるかもしれません。
ちなみにラブラドライトは、和名「曹灰長石」の名の通り
長石の仲間なので、同じ長石の仲間である
ムーンストーン(月長石)」のアデュラレッセンスとは、
かなり共通点があります。
最大の共通点は「二つの長石による薄い層が交互に重なった
ことで光の干渉が起きている」ということ。
ただし、長石の種類が違います。先程は「正長石」と「曹長石」
でしたが、この場合は「曹長石」と「灰長石」。
それから、磁鉄鉱や赤鉄鉱などが内包物として混じることで
さらに効果を引き立てているそうです。
この辺りが、アデュラレッセンスと少し違うとこでしょうか?
ただ、ラブラドレッセンスについては、それだけでは
まだ説明出来ない部分があり、解明はこれからだそうです。
「謎の効果」という意味では一番ミステリアスですね。
最後にラブラドレッセンスについてアメリカの思想家エマーソンが
こんな言葉を残しているそうです。(堀秀道著「楽しい鉱物学」より)
「人の一生はラブラドライトの如し。ある角度に至らざれば光輝なきなり」
つまり、「いつか違う角度から光が当たれば、アナタにもラブラドレッセンス
が見えるかもしれませんよ」って意味でしょうか?
ただし、個人的に思うことは、ラブラドライトだって、何もしないで
光るワケじゃないということ。上の写真の石だって、ちゃんと磨いて
あるから、光が当たった時に効果が現れるのでしょう?
いつ光が当たっても、効果が現れるように、自分を磨いておくことが
一番大事なことかもしれませんね。